一生離さねぇぞ
「中原、ちょっといい?」
同じクラスの橋本くん。
橋本くんも優しくてかっこいい所が女子に人気。
「うん。いいよ?」
私は橋本くんについて行く。
でも、この気の緩みが後で大変な事になる。
橋本くんは私を屋上へ連れて来た。
「橋本くん?どうしたの?」
「中原っ……。」
橋本くんは私の名前を呼びながら、
私を抱きしめた。
弘くんに昨日あれほど言われてたのに、何も出来ない。
橋本くんの胸を押してみるけど、全く動かない。
「…っ橋本くんっ…やめて…?」
橋本くんは私の声を聞いてくれない。
「橋本くんっ……。」
だんだん怖くなって、涙が溢れた。
「中原が…好きなんだ。坂倉と付き合ってる事も知ってる。けど、俺は中原が好きだから。」
好きなら何してもいいの?
言いたいのに言えない。
橋本くんの気持ちは嬉しい。だけど、それ以上に橋本くんが怖い。
ずっと抱きしめられたままの私。
「…っ…嫌っ橋本くん、離して!」
精一杯の抵抗。