一生離さねぇぞ



「弘くんっ…っ…ありがと…。」




まだ体が震えてて上手に言えない。




「椎……、ごめんな。怖かっただろ?」




弘くんは私を強く抱きしめてくれた。




橋本くんの時とは全く違って安心する。




「弘くんが…助けに来てくれたから、もう大丈夫。」



そうやって笑っても





「無理してる。…俺の前では、泣いていいんだよ。椎が一人で泣いてたら…俺慰めてやれねぇじゃん。」




弘くんのその言葉で、堪えていた涙が溢れ出す。




「……っ…怖かったよ…弘くん…。」




「キスとか、されてねぇ?」




「うんっ…。」




それを聞いた弘くんは、
良かった…と言いながら、今度は優しく抱きしめて、軽くキスしてくれた。




< 50 / 63 >

この作品をシェア

pagetop