優しい君に
三年間。
諦めなかった太郎さん。
譲らなかった奈月さんのお父さん。
二人の思いに、応えた奈月さん。
「…今は、本当に凄く幸せなの。」
愛おしそうにお腹を撫でる奈月さん。
それを見て、きっとここは、いつまでも優しい場所だと思った。
永久に続く光。
「…昔話なんて、柄にもないんだけどね?恥ずかしいから忘れてちょうだい。」
少し頬を染めて、奈月さんは厨房に消えた。
「大ちゃん…」
目の前にいる彼に、小さく問いかける。