優しい君に

三年間。

諦めなかった太郎さん。

譲らなかった奈月さんのお父さん。


二人の思いに、応えた奈月さん。




「…今は、本当に凄く幸せなの。」




愛おしそうにお腹を撫でる奈月さん。




それを見て、きっとここは、いつまでも優しい場所だと思った。




永久に続く光。






「…昔話なんて、柄にもないんだけどね?恥ずかしいから忘れてちょうだい。」



少し頬を染めて、奈月さんは厨房に消えた。






「大ちゃん…」




目の前にいる彼に、小さく問いかける。





< 126 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop