優しい君に
「私、思うの。」
「何を?」
「…きっと全部、偶然なのかなって…」
普通にしてたら、出会うことのなかった奈月さん達。
偶然に出会った。
偶然が永遠を作り出した。
「偶然、な。」
大ちゃんは笑うことなく呟いた。
「だってきっと…私たちも幼なじみじゃなかったら出会わなかった。」
出会っても、向かいあってケーキを食べる日なんか来なかった。
たまたま、ご近所だっただけ。
小さい頃からそばにいただけ。
ほら、やっぱり偶然だ。