優しい君に
「囚われるなよ、みぃ。あの日の怪我はとっくに治ってる。」
ただ走るのが大好きだった、あの頃。
大切な試合の前に、まさかの怪我。
自転車同士の衝突事故。
全治4ヶ月の怪我。
…大切な、大切な試合前だったのに。
誰もが私に期待していたのに。
「みぃは、もうあの頃と同じように走れる。」
とてつもない喪失感と脱力感、やるせなさが私を捕らえた。
周りの期待に応えられなかったことが、何より辛かった。