優しい君に
誰も私を責めたりしなかった。


それが逆に苦痛だった。



怪我が治っても、もう同じように走れない気がして陸上から離れた。



走るということ自体が、ヒトツの恐怖だから。




「そろそろ進めよ。」






あの日から、私は同じ場所に立っている。



怖がって、進めない。





だけど─……





「もう…前みたいなタイム出せないかも…」


「大丈夫。昔のみぃをみんな知らないはずだからさ。」


「私のせいでビリになっちゃうかも…」



「大丈夫だって!リレーなんだし、カバーできるって。」








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