優しい君に
少し羨ましい気持ちを持ちながら、団結してるみんなの様子を見ていた。
私も、前の学校ままだったら…
きっと、私だって…
「みっちゃーんっ!!!」
空が大きく風をふかせた。
誰かが遠くから私の名を呼んだ。
立ち上がって、辺りを見渡せばすぐに声の主は見つかった。
そうだった…
私を“みっちゃん”と呼ぶのは一人しかいない。
「…矢代くん、久しぶりだね。」
相変わらず可愛い笑顔が、私の傍にいる。
「久しぶりっ!みっちゃん!!」
矢代くんはそう言って花が咲くように笑った。