優しい君に
「いっぱい話しかけて、よかった。」
初夏になりきれない風が柔らかく吹いた。
きっとまだ、春風。
そんな風に急に嬉しそうに、優しく笑うから。
だから、戸惑ってしまうの。
「私なんか…面白くないよ?」
地味で、可愛げがなくて、勉強だけが取り柄の私なんか…
「えっ?みっちゃんかなり面白いよ?」
キョトンとした矢代くん。
「だってさ…」
矢代くんが笑いながら何か言いかけた。
「櫻井~そろそろだぞ。おっ矢代来たんだな!」
大ちゃんのクラスの体育会系の男の先生が大声で言った。