優しい君に
「まぁ待てって、みぃ。もうやめるから。」


「もう…っていうか、負けたからやめたんでしょ?」


「………」


「……………」



「………じゃ、志望校変えといて。」


「大ちゃん、私の話ちっとも聞いてなかったんだね…」



はぁ…と私、櫻井 美紅は盛大にため息をついた。


大ちゃんこと坂上 大地と話をすると、大抵私は、ため息に始まりため息に終わる。



「いいじゃん、志望校変更。俺と同じとこ行こ?」


「だから私はエスカレーターで高校に…」


「でも、受けることはできるじゃん。」



ニッと笑って言い切った不良金髪美少年。





< 3 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop