優しい君に
みんなそれぞれ帰りの支度を始める。


私も少ない荷物を纏めて大ちゃんを約束通り教室で待った。




「みぃっ!!!帰るぞっ!!」




ドアらへんから聞こえた声に、私は慌てて駆け出した。



大ちゃんの登場でクラスは静まり返った。



当の本人は何も気にしていないみたいだけど。




「お待たせ…っ」




駆け足で大ちゃんに近寄ると、大ちゃんはニッと笑った。



後ろで女子が黄色い声を上げていた気がするけど、あえて気付かなかったことにしよう。






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