優しい君に
大ちゃんとは、休み時間に会う約束をして別れた。



私が教室に入ると、今日は水を打ったように静まり返った。



打ち合わせでもしてたんですか?

なんて疑問は、頭の隅に追いやった。




友達作りを諦めてる私にしてみたら、もう関係ない。



嫌われようが、無視されようが。




黙って席について、持参した本を取り出した。



読みかけた場所を探していると、不意に誰かの気配を感じた。




「櫻井、美紅ちゃんっ!!!」




名前を呼ばれて、顔をあげると、一人の女の子が立って笑いかけていた。





< 40 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop