優しい君に
「ぎゃぐ?」
笑いながら首を傾げる矢代くん。
可愛い顔でやると可愛さ倍増。
クラス中の女の子…それから男子も数名、顔を赤くしている。
矢代くんも、大ちゃんと同じ人間。
キラキラしてて、周囲の人間を巻き込んでいく。
「いや…まぁ…はい…」
「あははっ!やっぱり!!美紅ちゃん面白いね!!てか俺、矢代 希琉都!よろしくっ!!」
「あ…はい…」
やしろ きると。
随分変わった名前。
「ねねっ!!美紅ちゃんだから、みっちゃんって呼んでいい?」
その人懐っこい笑顔を見て、今自分に確実に敵が増えたことを実感した。
(回り出した歯車が悲鳴をあげた。)