優しい君に
願望
「みぃっ!!!」
帰りのHRが終わると同時に、大ちゃんは私の教室に来た。
大声で私の名を呼ぶから、クラスの視線が集まって恥ずかしい。
「大地さんだ!みっちゃん、本当に付き合ってないの!?」
空気が読めないこの可愛い少年…矢代くんは私にそう聞いた。
「だから幼なじみだよ…」
そう言いながら、席を離れようとすると不意に手首を掴まれた。
心臓がドキリと跳ね上がった。
「バイバイっ!!」
私の手を掴んだまま、もう片方の手を振って矢代くんが言った。