優しい君に
よく考えれば当たり前な話。



だって、幼なじみも他人なんだから。




「貴女は頭がいいから、自分の中で答えを出して終わることが多いと思うの。」



先生はゆっくりとそう言った。



「だけどね、誰かに話してみるのも必要よ。そうしないと、貴女はいつか壊れてしまうから。」



私が、壊れる?




「貴女が壊れるということはね…貴女の大切な物や人を失うということ。」




窓から見える木々が風に揺れた。




空は茜色のベールを纏った。





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