優しい君に
「私、まだまだ未熟だけどよかったら頼ってね?」
少し遠慮がちに言われて、私は慌てて首を横にふった。
「先生は全然未熟じゃないですっ!!!今日、先生が助けてくれなかったら私、立ち直れてませんでしたっ!!!」
温かい手で、私を助けてくれた。
香ばしい珈琲を入れてくれた。
私の話を聞いてくれた。
私だけじゃ、気付けなかったことを教えてくれた。
こんなにも真っ直ぐに見てくれる先生は今までいなかった。
「その…だから、また…頼らせて下さい。」
先生といる空間は、優しくて、不思議と落ち着くから。
先生は嬉しそうに一度頷いた。