優しい君に



「鈴木さん、ごめんね?」


その後の休み時間、私は一番に謝った。


「えっ?別に全然いいよっ!!美紅ちゃんも一緒だし♪」

「でも…」


「つべこべ言わないっ!楓がやりたかったからやったんだしっ!」


鈴木さんはそう言って ニッと笑った。



不敵な笑顔。




「だって楓、美紅ちゃんのこと大好きだもんっ」




化粧が厚い鈴木さん。


人一倍優しい鈴木さん。



私が、好き?

こんなこと言われたのは久しぶりだ。


私みたいな地味な女に。





「ありがとう…」






(私も、貴女が大好き。)







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