優しい君に

“サボるなんてダメだよ”


そう言って学校に行くのが、正しい選択なのは分かっている。



だけど──……






「…うん、サボリたい…」




呟いてしまった本音に、大ちゃんは驚いた顔をしたけど、すぐに笑顔になった。



「よしっ!!んじゃーいっぱい遊ぶぞっ!!」



そう言って、私の手をひいて学校とは逆の方向に歩き出す。





真面目な私にとって、初めてのサボリ経験の、はじまりはじまり…なんてね。






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