マイエンジェル†甘い声で囁いて
外から扉をノックする。


…中の音がでかいから、そら聞こえないよな。


三国くんもミコも、気付く様子はなかった。



「あの~…タクミくん、これどうぞ」


オレらのファンなのか、周りにいる女がオレに話しかけてくる。手には、紙袋を持っていた。


「え…オレに?へぇ、サンキュー」


いつもウロウロするウザい取り巻きからでも、プレゼントは意外に嬉しい。オレ自身サプライズ好きだし。


うちらのバンドのファンは、三国くんやミコの根強いファンが多い。だから自然と、途中で加入したオレや豆蔵は放置される事もしばしば。


でも、今回は違ったみたいで。


「連絡先っ…教えて下さい」


オレにそう言い、頬を赤く染めて俯く彼女。

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