マイエンジェル†甘い声で囁いて
「タクミの声、甘いよ。歌う時、すごく切ない表情するし…。全部好き…」


恥ずかしい。何言ってんだろ、私。


そしたら、ギターを置いたまま一向に弾こうとしてなかったタクミが、私の所まで歩いてくる。


「…そこまで言われたら、もう練習どころじゃねぇよな。なぁ?風ちゃん」


う、うわぁ。何なのタクミのそのニヤニヤした顔。


「な…何?」


「ヤベ~な。今の風ちゃん、もっと壊していい?」


「こっ…壊す?えっ、暴力は嫌だよ」


「違う。チュウとキスの違い、教えてやるよ」


「きゃっ…」


タクミは、私の手を引っ張りグッと自分の方へ引き寄せる。


さっきとはまた違うタクミの顔。

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