マイエンジェル†甘い声で囁いて
それにしてもすげーな。


いつの間に、オレらにこんなファンがついたんだ?


軽音部の部屋を出ると、女がわさわさ群がっていた。


「ドラム叩けたんだぁ。さっきのタクミ、カッコ良かった~っ!好きになりそう」


「いつもグラウンドで練習してるのと全く雰囲気違ったよね。学祭楽しみぃ」


「タクミ~、ボーカルの子と付き合ってるって本当?聞いてないよぉ…タクミは彼女作んないんじゃなかったの?」


みんな言いたい放題だ。


半分耳に入って、半分聞き流す。


いつもライブハウスでやる時と違って、この場所はオレのホームだから。普段のオレを見て、純粋に好きになってくれるファンが多いってのはいいよな。


ライブハウスの時は、三国くんのバンドのいちメンバー…って位置付けだから。


適当に笑ってやり過ごしてると、いきなり腕を掴まれた。


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