マイエンジェル†甘い声で囁いて
窓に向けていた視線を、音がした方に向けると、前の方でクラスの男子が騒いでいた。


あぁ、ダメダメ。


悩んでも仕方ないや。


ダメな時はダメ。タクミとうまくいかなかったら、その時はその時だよね。


とにかく、学祭頑張ろう!


こ~なったら、グラウンドで練習だぁ。
ギター拝借して、ちょこっと歌うかな~。


三国くんの机の横には、ギターが置いてある。まだ学校いるみたいだし、メモ残して借りちゃおうか。


彼の席まで行き、メモを書く。


えっと…30分借ります…と。


「何やってんの?」


「何って、三国くんにギター貸してもらお~かと。あれっ?三国くん!」


「タクミに貸してもらえば?オレもう帰りたいし…」


私の担いでいたギターケースを、三国くんがそっと取り上げる。


「え~…だっていつ来るかわかんないしぃ」


「だからって、オレまで一緒に待つ気ねーし」


「それはそうだけどー…」


三国くんはカバンとギターを担ぐと私に背を向ける。


そのまま帰るかと思いきや、くるりと振り向いた。

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