マイエンジェル†甘い声で囁いて
「少しだけなら付き合ってやろーか」


「やった!それでこそ優しいリーダー」


「その代わり、ここでな」


って言うと、三国くんはギターを取り出し机に腰掛ける。


何の曲を弾くのか聞く前に、彼は先に奏で始める。


あれ…


この曲。






この間三国くんが、オレの好きな曲…って、ピアノで弾いてくれた曲だ。


オマエの為に…とか。本当に思わせぶりだよ。今は、誰のために弾いてるの?


三国くんの席に座り、頬杖をついて聞き入ってしまう。


ピアノで聞いた時は、すごく繊細で綺麗な曲だったけど…ギターだとまたアレンジが微妙に違って、新鮮だな…。


不意に、三国くんの指が止まった。


「あ…やめちゃうの?」


「やめちゃうって…歌えよ。やる気ねーの?」


へ?


「歌えって、歌詞知らないけど」


「あー、そだっけ。まだ歌詞渡してなかった」


三国くんは思い出したように、カバンから一枚の紙を取り出す。


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