マイエンジェル†甘い声で囁いて
すごいなぁ…。


もう歌詞覚えちゃったんだ。


三国くんに渡された歌詞を追いかけつつ、彼の歌声に耳を傾ける。


撮る必要ないって言われたけど…、映像も撮っとかないとね。もし三国くんが将来有名な人になったら、これは貴重な映像になるし。


後で三国くんに消されるかもっていう考えなんか思いつきもせず、正面から三国くんを捕らえ、ディスプレイ越しに彼を見つめる。


やっぱ私が歌うより、三国くんが歌う方がいいなぁー。


弾いてる途中で、三国くんの視線がふと私の手元に注がれる。


間奏に入ると、ストロークは止めずに三国くんが顎で机を指す。


「撮るなって。ここ置いて」


「は~い…。もぅ、撮るぐらいいいでしょー?」


「だめ。オレの映像ネットで売られたら嫌だし」


「売らないって!」


「ははっ」


三国くん、ギター弾いてる時はやり取りが自然なんだよねぇ…。何なんだろ、このギャップは。


笑顔も普通に見られるし…。


間奏が終わり、また歌に入る。


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