マイエンジェル†甘い声で囁いて
「元カノが羨ましいな。三国くんの音色を独り占めなんだよね…」


「いや、どーかな。オレなんか自分の気持ち伝えんの下手だし、実際つまんなかったんじゃねぇか?」


「そんな事ないよー。だって、真央ちゃんでさえ、三国くんの事理解してたし。

ずっと見てたら…三国くんの気持ちは掴めてくるんじゃないのかな」


「真央がオレの気持ちなんか分かるわけねーだろ?景の事すら理解してないのに…」


まぁ…それは。真央ちゃんて恋に恋するタイプには見えたよね。


あの景のいい所しか見えてない節は、あったかも。


「あ…そう言えば。三国くんの『悪くない』は、マルだって言ってた。照れ屋だから、自分の気持ちをストレートに表せないって」


「あのヤロ…言いたい放題だな。それに、悪くないって普通マルだろ…」


「へっ?あ…そうだよね。悪くはない。悪いと良いの間で、良いにちょっと近いんだ?あれっ?真央ちゃん何が言いたかったんだろ…」


「オレが悪くないって言う時はぁ…」


そう言って、三国くんはゆっくりと顔を上げる。



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