マイエンジェル†甘い声で囁いて
それはそうだけど…。


「だから何?何か関係あんの?」


はっ。


私、何聞いてるんだろ。気になってたから、思わず聞いちゃった…。


「聞いてみただけ…」


「オレそういうの貰わない主義だから、突っ返してるけどな。…基本、人と物の貸し借りもしねぇし」


え…。じゃあそのiPodは?


私の目線は自然と三国くんの手元に注がれる。


三国くんは表情を変えず、私の視線の先をたどる。


「…オレの真似じゃなくて、自己流でちゃんと歌うんなら、また貸してやろっか」


貸し借りしないって言ったそばからコレだよ。やっぱり思わせぶりだ。…三国くんは私の事、少しも意識してないの?


「三国くん、学祭の後も…私とこうやって話してくれる?」


思わず彼の腕を取る私に、少し目を見開き驚く三国くん。


少しの沈黙の後、三国くんは目を閉じた。


あ…あれ。雑念除去?


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