マイエンジェル†甘い声で囁いて
「じゃ、オレこっちだから」


三国くんは別れ道で、私が歩こうとしてたのとは違う道を指差す。


「うん…」


「じゃ、またな。…何?」


私が何か言いたげな視線を送っていたからか、三国くんは振り返って足を止める。


「私、両方欲しいよ…。欲張りだよね。どうしたらいいか、頭では考えらんないよ。

三国くんも気になるし…、三国くんのそばでずっと歌いたい…」


「…恥ずかしいヤツだな」


そういう三国くんの表情は呆れてる感じじゃなく、少し優しく見えた。


「恥ずかしくてもいいもん。それが…私の素直な気持ち」


「…そっか。じゃあ、オレの答えはやっぱりノーだ」


…え?


三国くんは私の近くまで歩いてくると、にっこり微笑んだ。


そして…。


私は、突然暖かい感触に身を包まれる。


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