マイエンジェル†甘い声で囁いて
「すぐ行くから待っててな」


えっ!?


私の返事も聞かず、タクミは顔を覗かせていた向かいの渡り廊下から頭を引っ込める。


どうしよう。


迷ってるうちに、タクミは私の前に現れてしまった。


息を切らし、笑顔のタクミ。


「風ちゃん、明日…頑張ろうな」


「うん…。緊張するね。たった、一回しかないもんね?」


「あぁ…」


タクミはフッと更に表情をやわらげる。


「タクミ…?」


「最近また表情が良くなってきたな。オレのすげースキな風ちゃんが戻ってきた」


「…そぉかな」


三国くんとの事、自分の中で吹っ切れたからかな。友達でいよう…って。


「明日…最後だな」


タクミは微笑み、私に手を伸ばす。背中に当てられた手を感じ、思わず逃げてしまった。


そんな私を見て、タクミは顔を歪ませる。



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