マイエンジェル†甘い声で囁いて
「タクミは…夏休み中も、私との関係曖昧なままだったし…。

学校でも、よく女の子と二人きりで話してたよね。そう言うの見てるの、辛かったよ?

いつもモテてるタクミには、こういう不安な気持ちは…わかんないよね」


「…悪かった、それは謝る」


にやけて話にならないかと思いきや、タクミは珍しく素直に頭を下げた。


「頭上げたら?血…のぼるよ」


タクミは頭をうなだれたまま、しばらく顔を上げない。


「ごめんな、風ちゃん。オレ、調子ノリだからさ。

風ちゃんの過去知ってたのに…結局、傷付けた。これじゃ、アイツとあんま変わんねぇな」


俯いた姿勢でタクミが呟く。


「そんな事、ないよ。タクミは私に自信をくれたもん。

不安だったけど…タクミに可愛いって言われると、そうなのかなって、自惚れたよ?」


フフっと笑う私に、タクミはガバッと顔を上げる。


「いや、真面目なハナシ。風ちゃん、マジ可愛いから」


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