マイエンジェル†甘い声で囁いて
だとしたら、そういう気持ちを持ちつつ、風ちゃんに興味を持ったワケで。


純粋に好きと思えなかったのは、これが一つの原因なんだよな。


「ま!三国くんもカッコいいけど、私はタクミくんを応援するからねっ。

優勝したら私のおかげと思いなさいよ?」


「何でだよ~。ふざけんなっ」


きゃあっていう声を聞きながら、彼女に腕に巻き付ける。


あぁ…


こういう態度が誤解を招くんだよな。


…周りの女の期待と、風ちゃんの不安を、同時に招いてたって事か。


今更ながら、そんな事に気付く。


ふと、寂しい気持ちになった。




風ちゃんは、きっと三国くんを好きだ。


三国くんは…


どうだ?






あの人楽器を通してじゃないと、ストレートに気持ち表現すんの上手くねぇからな。


…面倒くせぇヤツ。






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