マイエンジェル†甘い声で囁いて
私と一緒なんじゃないのぉ?


「オマエ、オレが弾いてる間…絶対目ぇ合わすなよ。トチるから…」


三国くんは一人でブツブツ言うと、前奏を奏で始める。






音色の一つ一つが、私の心に染み込んでくる。


三国くんは、目を閉じて演奏に没頭しているように見えた。


…すご。


CD再現してるみたいなんだけど。


感激し過ぎて、まさかの、歌い出し失敗しちゃいそうだよ。


前奏が少し長い曲だから、思わず聞き入る。


そのうちに、商店街を歩く何人かの人たちが、私たちの前で足を止める。


「すごーい。あれって本当に弾いてるのかな?」


「あぁ、きっと楽器店のイベントだよ~」


< 389 / 474 >

この作品をシェア

pagetop