マイエンジェル†甘い声で囁いて
屋台には、本当に三国くんが立っていた。


「ミコちゃん久しぶり~!三国くん…何してるの」


「何って…票稼ぎ」


票稼ぎ!?


「そっ。クニ、クラスの子と売り子バトンタッチする代わりに、色んな所で今日の宣伝してもらってるんだって。

クニそういうの苦手だし~。ペラペラ喋るぐらいなら、ここで地味にりんごを飴に浸してた方がいいもんねぇ?」


ミコちゃんがクスクス笑い、飴をペロリと舐める。


「そんなの…言ってくれたら私がやったのに」


「いーって。これ結構楽しいし」


三国くんは、今度はいちごに溶けたチョコをつける。


「クニ、風ちゃんに心配かけたくないって。本番までゆっくりしてなよね」


ミコちゃんはニコニコ笑って、私を見る。


「うん、でも…」


「でもじゃないのっ!あ、ミコね風ちゃんに用があったんだぁ。

クニ、風ちゃん借りて行っていい?」


ミコちゃんが三国くんを振り返って、何やら企みの表情をする。


< 402 / 474 >

この作品をシェア

pagetop