マイエンジェル†甘い声で囁いて
マイエンジェル
「風ちゃあ~んっ!」
「真央ちゃん、久しぶりぃ」
人混みの中、私の弟の景と彼女の真央ちゃんの姿が見えた。
「もう始まっちゃうよ?」
「ごめんねぇ。コテ壊れちゃって…ドライヤーだと、髪がうまくカールできなくって」
ミコちゃんのラストライブ。
私が気合い入れてどうするんだって話だけど、
ステージ上の三国くんと目が合いそうだから、かわいくしておきたかったんだ。
「全然問題ないよっ。風ちゃん最近やたらキレイなんだけど…もしかして三国先輩のせいっ?」
真央ちゃんは瞳をキラキラさせながら、私に迫ってくる。
「あはは…どうかなぁ。キレイになってるんならいいけど。三国くんはそういうの何も言わないしぃ。
どういう感じが好きだとかはまだつかめてないんだよね」