あたしの風をあなたに…
顔を上げた時
芝崎の顔が微笑んでいた
「音楽が好きなら大丈夫なんじゃない?」
突然澪の心が軽くなった気がした

そうだあの時
アイツ…ストーカーの楽器を吹いた時
何で涙が出るのかわからなかった

でも今わかった
嬉しかったんだ


楽器を吹き始めるまで怖かったの

もう二度と楽しい気持ちが生まれないのかもしれないって…

でも楽器を吹きはじめた時楽しいと思ったんだ

それが嬉しかったの

そうあの時泣いたのは
今までのように気持ちを込めて吹けることが嬉しかったんだ…

「どうだ?力を貸してくれるか?」

芝崎の言葉にあたしはうなづいた
「やります…今度こそ夢を叶える」

「うん、じゃあよろしくな」
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