あたしの風をあなたに…
「も〜マジで痛かった…」

なに…さっきの男子?


あっちからぶつかっといて無視はないんじゃない?

澪(れい)はさっきぶつかってきた男に対しての怒りを風で吹き飛ばそうと思い屋上にやって来た

手すりをつかむと、金属の部分がひやッと冷たい。
そして頬にあたる風が春なのに冷たくて気持ちがいい
春か…
その時ふっと何かを感じて目を横にやった

そこには地面におかれているメッキが剥がれているトランペット

「危ない置き方だなぁ…」
つーかコンクリートの地面に置くのもどうかと思うけど…
澪はトランペットに手を伸ばした。
手にとったのをそのまま口に近づける

…ダメッッ吹いたら駄目だ!
人のなんだし…
でも…
「ちょっとだけなら…許してくれるよね?」
そう言うと澪は楽器に息を入れた
これがコータとの出会いになるのを知らずに…
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