あたしの風をあなたに…

「そんなことより、あの子うちらと同じパートなんだね。一回音聴いてみたいなぁ…」

「そうなんすよ!!しかもアイツ超うまいんすよ!!」

「なんであんたが知ってんのよ…」

「えーっと…」

言い出そうとした言葉が急に止まった

あの言葉を思い出したからだ


『このこと…誰にも言わないで』

―あの時あいつは泣きながらトランペット吹いてた

それにアイツ転校生だから知り合いなんかいないはずなのに『誰にも言わないで』って言ったんだ…。

きっと何かがあったんだろうな


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