あたしの風をあなたに…
周りがざわめく

その中で彼女は声を出した

「パートリーダーには伝えてあったんですが、全員には回らなかったようですね

今日芝崎先生は会議があるそうですが万が一遅れた場合代わりにあたしがすることになりました」


―ウソだろ?そんなことできるわけない…

「それでは課題曲をします」

―マジで?

そんなことを思っていると急にメトロノームの音と何かを打つ音が聞こえた

「とりあえずテンポはこちらでやるので頭からやってください」

―まぁ全員で合わせるならだれでもできるしな。

みんなもそう思ったらしくざわめきがなくなり、やがてメトロノームと机をたたく音だけになった

「それではいきます…。5、6、5、6、7、」

音が一斉に鳴り出す。金管楽器のファンファーレ。その迫力を引き出すパーカッション。その後を追いかける木管楽器

ファンファーレが終わると木管楽器が静かにメロディを奏でだす
その後金管楽器で盛り上がり、また木管楽器で静かになり最後は全体で最後を奏でる

―でもマーチ(課題曲)はいつも大体そんな感じだからなんかあきるんだよな…
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