あたしの風をあなたに…
やがて曲が終わり、辺りに静寂が訪れる
その静寂を切ったのは澪だった

「全体的にいって木管の音量が小さいですね。
これでは音量の幅が狭いから曲がつまらなくなります。
基礎練の時から音量を常に意識して練習してください」

「「はい!!」」

―あ…、芝崎と同じこと言ってる…
他のみんなもオレと同じこと考えているだろう


だって芝崎も合奏するたびに『音量が小さい』って叫んでいる

でも「そんなに小さいか?普通だろ?」って思ってた


「それと最初のファンファーレ。ハーモニーのバランスが崩れているので1音ずつ確認します」

「「はい!!」」

「じゃあ最初の音を出してください」

澪の指示にみんながしたがってそれぞれ音を出し始める

「ええと、3音が大きすぎます。だから…」

それから澪の指示でそれぞれがハーモニーを作っていく
そしてうるさいと思っていた雑音も少しずつなくなっていった

「大分音が合ってきましたね。
それでは最初からやっていきます」

「「はい!!」」
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