あたしの風をあなたに…
「オレ今まで先輩の言うことが良くわかんなくてほとんど我流だったんだ。
でも先輩は何も言わなくて、むしろうまい者扱いされてたから調子乗ってて。澪に言われるまでずっとこの調子だった…
澪に言われて気付いたけど、オーディションまでにどこまで直るのか正直言って不安だし、どこをどう直せばいいのかよく分かんないだろうし…
それにオレはもっとうまくなりたい。絶対全国に行きたい。だから…頼む」

どうしても行きたい…東京に
どうしてもあの場所で吹きたい
あの黒い床で響かせたい
全国大会…普門館に行きたい!

オレはもう一度頭を下げると澪はため息をついた。
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