あたしの風をあなたに…
あれ…もしかして

「今日はそれだけ!?」

オレが目を開いて聞くと彼女は心外そうに目をぱちくりと開き返した

「当たり前じゃん」

「オレには時間ないって言ってるだろ!?」

「基礎中の基礎ができてないあんたにそれ以上のことを教えても無駄でしょ」

「う"っっ!!」

「とりあえず今日は音階。あとは入り方を考えなよ先輩が近くにいるんだから手本にして」

澪はそう言うとピアノでB♭の音を出した

「はい吹いて」

オレはすぐに音を出す

「この時点でダメ。合ってないから不協和音出してる。ちゃんと音を聴いて」

もう一度B♭が鳴るとオレは慎重に吹いたさっきまでの不協和音がなくなり音がぴったりはまる

あ…

「そうそう。じゃあ次ね」

澪の声にオレは頷いた
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