二片の桜
「女の人と分かれば、もう女にしか見えません。
ただ…砂柚さんは、少しはしたないと思います。」
女子がはしたない恰好をするなど、土方同様に沖田も思いもしなかった。
……はしたない?
砂柚の頭で何度もリピートされる。
「わ、私がはしたない!?どうしてですか!」
「その格好がかな。」
ズバリとそう言って砂柚のスカートを指指す。
膝上丈のチェックのスカート。
学校規定は、膝下丈だが腰を曲げて短くしている。
「これは、普通です!」
せめて可愛いと言って欲しい。
この時代の女性にとって肌を出す行為がはしたない。
とは知らず、威勢よく答えると沖田は笑っていた。
「砂柚さんって、おもしろい人ですね。」
裏が無く心から出た言葉。
それって…褒めてるの?
砂柚は出かけた文句を呑み込んだ。
「ん。有り難う?」
何だか嬉しかったから。