Liar or Truth
「チヒロ、」
不意に自分の名前を呼ばれた俺は、声が聞こえた方に顔だけを振り向かせた。
その先にはマドカが立っていた。
「マドカ…」
「苦しそうだけど大丈夫?」
「うん、大丈夫」
マドカは俺の隣に座り、曲げた足の前で自分の手と手を繋がせた。
「チヒロ、本当はリマの事が好きなんでしょ?」
「え…」
「そうなんでしょ?」
ふいっとマドカから視線を外して目を伏せた。
好きだよ。
俺はリマが好きなんだ。
「どうしてその想い、伝えないの?リマも待ってるよ」