Liar or Truth

 俺に抱いて欲しいと言ってきた勢いはどこに行ったのだろうか。

 肩を震わせている彼女の姿は肉食獣に狙われている兎のようだ。


「俺はココでも良いけど、ラブホとかの方が良い?」

「あ…いえ、ココでも大丈夫です」

「分かった。最初に言っておくけど、抱くのは今回一度きりだけだから」

「はい…」

「それともうひとつ、キスだけはしない」


 寝るなら一夜限り、キスは絶対にしない。

 これが俺が出す条件だ。


「それでも良いなら抱くよ」

「良いです…っ、それでも良いから抱いて」


 ずっと校内で待っていたのか彼女の手は氷のように冷たくなっていた。


「寒かった?」

「大丈夫…です」

「おいで」

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