Liar or Truth

「チヒロ君大丈夫?」


 俺の背中を擦ってくれるリマの腰に縋り付くように腕を強く回す。


「昔と逆だね」

「何が?」

「小さい頃、あたしが具合悪くなるとチヒロ君はあたしの背中をよく擦ってくれたよね。あれね、凄く安心出来た」


 ゆっくりと優しく話すリマに昔のリマの影を重ねた。


「リマは変わらないね」

「え、そう?」

「うん」

「…チヒロ君、」


 背中を擦っているリマの手が止まり、リマは俺の胸に顔をピタリとくっつけた。


「ずっと寂しかった」

「え…」

「昔はあんなに仲が良かったのに今はちっとも話さないから。
だからすごく寂しかった。今日久し振りにチヒロ君と話せて嬉しかった…」


 リマ、

 人間は拒絶しているつもりなのに、どうしてリマだけは拒絶出来ないのだろう。

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