Liar or Truth
どのくらいココに居たのかは分からない。
時間なんか忘れてリマと小さい頃の話をしては笑い合った。
久し振りに「ちゃんと」笑ったような気がする。
月の存在に気が付き、大きな窓から空を見上げた。
流石にそろそろリマを家に帰さないと危ないよな。
「リマ、帰ろう。送るよ」
「え、え、良いよっ」
「女の子一人じゃ危ないよ。それにどうせ家近いんだし」
「あ、ありがと…」
「ん」
リマの手を取り、電気も点いていない静かな廊下に出た。
誰も居ない廊下を歩いている最中、まるでこの世にリマと二人きりみたいだ、という感覚に陥った。
そうか、どうしてリマを拒絶出来ないのかが分かった。
俺にとって虚像は世界中の物全てだった。
でもリマは特別。何故かリマの存在だけは感じる。
リマは俺にとって「実像」なんだ…―――。