Liar or Truth
―――…キンコンカコーン
校内にチャイムが響き渡り、周りの生徒たちはそれぞれ自分の席へと戻っていく。
「あたしも席に戻るね」
一度微笑んだリマは、皆と同じように自分の席へと行った。
それに倣うように俺も自分の席へと足を運ぶ。
「チヒロチヒロ、」
小声で俺に話し掛けてきたのは俺の傍ら。
「何」
「俺好きな奴いるんだけど」
「…」
「え、シカト?」
「あ…いや、何て突っ込めばいいのか分からなかった」
チアキはいつも唐突過ぎるからたまに返事のタイミングを逃してしまう事が多い。
どうやらチアキの「唐突過ぎる話」は無意識に飛び出てくるらしい。
「―――…そっか、好きな人か」
「誰だか聞かないの?」
「別に、興味ないし」
嘘、興味がないなんて嘘だ。
チアキの好きな人は多分リマだ。
だからこそ興味がある。