Liar or Truth

 チアキと他愛のない世間話をしながら家へと向かう。

 家に着いて最初に玄関に入ったのはチアキだった。


「ただいまー」


 俺はチアキの後から黙って家に入る。


「おかえりー、ヒロちゃんとアキちゃん」


 リビングではエプロンをした母さんが待っていた。

 ウェーブがかかった茶色の髪を左の耳の下でピンク色のゴムで緩く止めている。


「母さんさー、いい加減にそのちゃん付け止めてくんない?」

「えー、可愛いじゃない」

「可愛くないし。なあチヒロ」

「別に」


 はっきり言ってそんな事どうでもいい。

 それより早く寝たい。


「最近ヒロちゃんが冷たい…」

「え、」


 母さんはさっきまで持っていた菜箸をテーブルの上に置いて顔を歪ませた。


「冷たくないよ」

「冷たい!だっていっつもママと目を合わせてくれないもの」

「別に悪気がある訳じゃ…」

「ヒロちゃんはママの事が嫌いなのねー!!」


 ―――…何でそうなるんだろう。

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