Liar or Truth

 ―――…ガチャ、


「チヒロー」


 双子の弟が部屋に入ってきたと思ったら俺の顔を見る前にベッドの上に飛び込んだ。


「何、」

「特に用はないけど。あ、今日の夕飯はシチューだって」

「良かったじゃん。チアキ、シチュー好きだもんな」

「チヒロもじゃん」


 チアキはクスクスと笑いながら足をジタバタさせた。


「…チヒロ、」

「んー」

「本当にリマの事何とも思ってないの?」

「またその話?リマに恋愛感情はないよ」

「俺考えたんだけど、俺たちって好きなものも嫌いなものも一緒じゃん。つまりやっぱりさ、好きな奴も同じだと思うんだよね」


 ―――…今日の智空は冴えている。

 何て言い訳しようか。

 この際本当の気持ちを言ってしまおうか。

 いや、駄目だ。まだ言ってはいけない。

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