Liar or Truth
「チルハこそそのニコニコ顔は変わらないね」
「ニコニコ顔って…」
「何を言われてもどんな事があってもずっと笑ってる。何考えてんのか分かんないよ」
「ありがとう」
「や、褒めてないから」
久し振りに見たチルハは更に大人っぽくなった気がする。
「眼鏡、変えた?」
「うん。前使ってヤツは壊れちゃったから」
夜空に浮かぶ金色の三日月を見上げ、両手をズボンのポケットに乱暴に突っ込んだ。
それと同時に、チルハは上着のポケットから煙草とライターを出して、煙草を口に銜えた。
「最近、うちの妹とはどう?」
「…別に」
「また「別に」って…。最近リマは凄く機嫌が良いんだよ。何かあったのかと思ってね。…ヒロ関係で」
クスっと笑うチルハが目に入ると、わざとらしく顔を背ける自分がいた。