Liar or Truth

「何…?」

「人間って簡単に恋愛に踊らされるよね」

「…」

「付き合ったら笑って、別れたら泣いて、デートしたらはしゃいで、振られたら落ち込んで、初めて手を繋いだら記念日を作って、すれ違いが出来たら不安になって。言えばキリがないけど。これってさ、恋愛に自分の心が左右されてるって事でしょ?つまり、恋愛に踊らされてるって事でしょ?」


 マドカは黙って聞いている。


「もしかしたら俺は、簡単に踊らされるのが嫌だから恋愛をしないのかもしれない」


 それは無意識に。


「喩(たと)え気になる人が出来たとしても付き合いたいとかは思ってないし。ぶっちゃけ皆みたいに恋愛が出来るか不安だし」

「好きな人がいる時点で「恋愛」してるんじゃないの?」

「二人両想いにならないと「恋愛してる」って言えないような気がする」


 マドカは「ふーん」と相槌を打った。

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