Liar or Truth

 目を瞑れば思い浮かぶのはリマの顔。

 声を出せばリマの名前。

 初めての恋だった。




「ねえチヒロ君、」

「ん?」

「あたしね、チヒロ君とずっと一緒に居たい」


 リマの顔は林檎みたいに真っ赤だった。


 俺も、俺も言わなきゃ。リマと一緒に居たいって。

 伝えなきゃ。


 でも喉は言う事を聞いてはくれなかった。

 この時、俺は何も言えなかったんだ。

 ずっと花火を見ているだけだった…―――。

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